子育ては、思い通りにならないことばかりです。子どもが小さかった頃、どう接するのがいいのか分からなくなるたびに、教育や子育ての本を読むようになりました。
自分の感覚だけで「こうしたほうがいい」と決めるより、研究や教育の知見を踏まえて考えてみたい。そんな気持ちで読んだ一冊が『世界に通用する子どもの育て方』でした。
この本を読んだとき、特に心に残ったのが、家庭を子どもにとっての「安全基地」にする、という考え方です。
子どもは、外の世界で思っている以上に頑張っている
この本を読んだ当時、長男は小学校に入ったばかりでした。保育園の頃よりクラスの人数が増え、朝も早くなり、先生も友達も生活のリズムも一気に変わりました。
まだ小さいのに、毎日その環境へ出ていき、帰ってくる頃にはへとへとになっている。もちろん楽しいこともたくさんあったと思いますが、本人なりにかなり頑張っていたのだと思います。
それまでは、家に帰ってきてダラダラしていたり、言うことを聞かなかったりすると、「ちゃんとしてほしい」と思うことのほうが多かったです。
でも「子どもは外の世界で頑張っている」と考えると、見え方が少し変わりました。家に帰ったときくらいは、安心して力を抜いてもいい。まず休んで、食べて、笑って、また次の日に外へ出ていけるようにする。その役割が家庭にはあるのかもしれません。
怒らせないことより、安心して戻れること
本の内容を自分なりに受け取ると、「子どもをコントロールするために怖がらせる」ことと、「必要なことを伝える」ことは別です。
親に怒られないように動くことが習慣になると、子どもは親の顔色を見て行動するようになるかもしれません。それより、失敗したり困ったりしたときに「家に戻れば大丈夫」と思える関係を作りたい。
自分も余裕がないときには強い言い方をしてしまうことがあります。だからこそ、「安全基地」という言葉は、子育てがうまくいかない日に自分を戻すための目印になりました。
何でも言うことを聞くのとは違う
一方で、何でも子どもの希望どおりにすることが「安心できる家庭」ではない、という点も印象に残りました。
寝る時間、人を傷つけないこと、危ないことをしないこと、家庭の中で守ってほしいルールはあります。親として「ここはダメ」と伝えなければいけない場面もあります。
ルールは持つ。でも、怒りや威圧で従わせることを目的にしない。子どもの気持ちを受け止めながら、親の考えも伝える。そのバランスが、実際の子育てではいちばん難しいところだと思います。
楽しく学校へ行ってくれるだけでも十分だった
当時の長男は、小学校へ楽しく通ってくれていました。振り返ると、それだけでもかなりありがたいことです。
勉強ができるようになってほしい。いろいろなことに挑戦してほしい。親になると期待はどんどん増えます。でも、まず毎日元気に外へ出て、帰ってきて、家で安心して過ごせる。その土台のほうが大事なのかもしれません。
迷ったときに戻れる考え方として
子育ての「正解」を見つけたわけではありません。子どもの性格も、その日の状況も、成長段階も違います。本に書いてあることをそのまま家庭に当てはめればうまくいくわけでもありません。
それでも、自分が感情的になったときや、子どもに求めすぎている気がしたとき、「家を安全基地にする」という考え方に戻ると、少し視点を変えられます。
外で頑張って、疲れたら帰ってこられる。うまくいかなかった日でも、また挑戦できる。そんな家にはしておきたいと思っています。

